プログラムマネージャー着任の御挨拶
JST未来社会創造事業は、将来の産業ニーズや社会構造を見据えた目標を定め、基礎研究からPOC(概念実証)に至るまでの研究開発を行っています。本課題「レーザー駆動による量子ビーム加速器の開発と実証」は、本事業初年度の2017年に採択され、2026年度までの10年事業として計画されています。
粒子加速器は基礎科学を牽引するとともに、新材料や新薬の開発、粒子線がん治療など学術・産業・医療等の幅広い分野に応用されています。一方で、技術的に高度で巨大な装置が必要であり建設費・運用費が高額となるため、その普及は限られています。本課題では、従来の粒子加速技術と比べて加速勾配が数桁高いレーザープラズマ加速技術を開発・実用化することにより、粒子加速器の大幅な小型化と低コスト化を達成し、社会への幅広い普及を目指します。
ステージ1(2017~2020年度)では、電子およびイオン加速、ならびにその技術基盤としてのレーザーに関わる要素技術開発を推進してきました。ステージ2(2021~2023年度)では、要素技術の更なる高度化を図るとともに、その統合を進め、技術を実感いただけるシステムの開発に注力します。また、バリューチェーン全体を構成する様々な企業・ユーザーの参加を得て、社会実装に向けた取り組みを行ってまいります。
今般、熊谷教孝(高輝度光科学研究センター)から佐野雄二(分子科学研究所)がPMを引継ぎ、ステージ2以降の研究開発を指揮することとなりました。今後とも皆様のご指導・ご支援を頂きたく、よろしくお願い申し上げます。
2021年4月
自然科学研究機構分子科学研究所
佐野雄二